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クレオール料理:ルガイユ×2



クレオール料理で呼ぶ「ルガイユ」には、半ばサラダ、半ばソースとしても用いる、「生野菜のたたき、ピリ辛風味」といったようなものと、煮込み料理の二つの料理を示します。
その綴りも、Rougail、或いはRougailleと二つ。

更に奇妙なことに、煮込み料理の「ルガイユ」に、もう一つのルガイユをソース代わりに添えて食べたりもするとのこと。

本日は、そんなルガイユ2つです。



まずは上の、サラダ兼ソースのRougail / Rougaille ルガイユ。
厳密には、「Rougail tomate / Rougail de tomate」、トマトのルガイユで、こうした類のルガイユにも「〜のルガイユ」と色々あります。
使う素材は、未熟なマンゴーやパパイヤだったり、トロピカルフルーツ入りだったり、ベーシックな郷土料理だけに、日本の例えば「おひたし」にも、ホウレンソウやセリ、春菊のお浸しなど様々あるのと同じような感覚なのでしょう。

写真のルガイユは、フレッシュトマト、タマネギ、唐辛子ベース。
トマトは、トマトの肉詰めグラタン「トマトファルシ(フランス本土の料理)」を作った際に、くり抜いて行き場を無くしたトマトの中身と、くり抜くために切り落とした部分の果肉をリサイクルしています。




こちらがもう一つの、煮込み料理の方の「ルガイユ」。
煮込み料理のルガイユにも、やはり「〜のルガイユ」と様々ヴァリエーションがありまして、写真の時は、中でも恐らく最もポピュラーな「Rougail saucisse ルガイユ・ソシッス、ソーセージのルガイユ」。

本場では、レユニオン島で作られる塩味の強い薫製のソーセージを塩抜きしてから使うのですが、それを探すまではせず、国内でどこでも見つかるトゥールーズ風ソーセージSaucisse de Toulouseを使っています。
ええと・・・ 本当のところ、写真の時はそのソーセージでもなくて、形成していない粗挽きソーセージの中身「Chair à saucisse シェール・ア・ソシッス」の肉団子を使っているので益々邪道ではありますが・・・

その他の素材は割とシンプル。
香り付けに、クレオール料理によく使うコンバヴァ Combava、タイ料理のハーブ・スパイスとしても知られるコブミカンの皮を少し使ってシトラス風味を添えるのですが、手元に無いので今回は省略。

クレオールの煮込み料理には、こうしてご飯を添えて味わうものが多々あります。
盛りつけは、写真のように脇に盛ったり、ご飯を敷いた上にワシャッと煮込みをのせてしまったり。
カレーライスの盛りつけと同じような感覚。

ちなみにご飯も、この時はクレオールの郷土料理であるRiz Zembrocal(又はRiz Z'ambrocalなど、これにも名称がいくつかある)に。
いわば豆ご飯で、最もポピュラーなのは赤インゲン豆を使ったものなのですが、今回は、先日北アフリカ系食材店でスパイスと共に1kg買って来た黒目豆(ブラッくアイピー)を加え、黄色い着色はターメリックです。

レシピページ用のお料理写真撮影に、豆ご飯の写真も欲しかったので、どうせバスマティ米を炊くならと一緒に作ってしまった次第。
バスマティ米は、スリランカの香り米。
タイ米、インド米のような、ヒョロリと細長い長粒米の一種で、天然の豊かな香りを持つ、パラパラとしてくっつかないお米。
ジャスミンライスと共に、ベタベタくっつくお米を嫌う傾向の強いフランスでは割とポピュラーで、その辺のスーパーマーケットでもほぼ必ず見つかります。

そんな長粒米が大好きな私には、正にピッタリなクレオール料理。
まだまだ熱中は続いています。


by mmetomato | 2007-09-24 03:34 | 料理


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