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「レの島」のお塩



お塩と言えば、ナントNantesに近いゲランドGuérande産が有名ですが、海辺のあちこちで作られています。

(先日のちょこっと予告通り、短いヴァカンス、しかももう何年か前になりますが、ラ・ロシェル界隈へ出かけた時の写真より)




フランス西部、ポワトゥー Poitou地方の港町ラ・ロシェル La Rochelleにほど近い小さな島、イル・ドゥ・レ Ile de Ré。
直訳すると「レの島」。
上は、そのイル・ドゥ・レの特産物&お土産物屋さんの並びで見つけたお塩屋さん。




日本では「塩田(えんでん)」、フランスでは「saline サリーヌ」と呼ぶ、田んぼのように区切った「畑」に海水を薄く引き込み、干して結晶化したものがお塩になります。
食卓塩の作り方は、他にもいろいろあるんですけどね。



フランス人がよく使うお塩にもいくつかあって、中でも人気が高いのが、グロ・セルと呼ばれる粗塩。 もうひとつは、日本でも15年程前にちょっと人気が出た「塩の花」ことフルール・ドゥ・セルFleur de sel。
後者は、塩田で結晶化した最初の一番純粋なところを集めたもので、純白で風味の良いお塩。
フォアグラに添えるお塩といえばコレ、というくらい、定評あるものです。

グロ・セルの方は、灰色がかったもっと素朴な風合い。
お砂糖で言うなら、グラニュー糖に対するブラウンシュガーとでも言いましょうか。
グロGros=大きい/太いといった意味がある語が添えられている通り、結晶は大きめで、これを細かくして食卓で使いやすくしたタイプもあります。




お土産物店が並ぶ界隈のお塩屋さんだけあって、やはり中心は、日常的に使われる粗塩よりも、フルール・ドゥ・セルが中心。
もっとも、フランス全国のみならず国外へ輸出もされているので、今ならあちこちで購入できます。 上記ゲランド産の方が多いけれど。




向こうの壁に並ぶのは、お塩専用容器。
スタンダードなポットもありますが、焼き物製に木のフタが付いた壁掛けタイプが誇らしげにビッシリ並んでいるのは、恐らく島で作られているものなのでしょう。
尋ねなかったけれど。

上の写真右下にある、ポッカリ口をあけた蚊取り線香の器のようなものも、お塩入れです。




上は、そんなお塩入れに添えるためのミニスコップ&スプーンやら、木の器やら。

湿気を吸いやすいお塩ですが、仏人家庭で割と多いのは、調味だけでなくお野菜やパスタを茹でたり、とかく頻繁に使う調味料だけに、フタもない容器に入れてキッチンの片隅に無造作に居場所を得ていたりします。

冬だけは湿度が高いけれど、ほぼ全国的に春先から秋口辺りまでは空気が乾燥しているため、フタをせず置いておいてもゴチゴチに固まってしまうことがない気候のためにできることなのでしょう。
我が家では、虫やホコリが飛び込んでは嫌なので、焼き物製のマスタードポットに入れて、コルクのフタを添えています。


<本日の仏単語>
・塩 sel セル
・塩の花/フルール・ドゥ・セル fleur de sel
・ゲランドの塩 sel de Guérande セル・ドゥ・ゲランドゥ
・塩田 saline サリーヌ


<本日のバックミュージック>

Francis Cabrelフランシス・キャブレルのAlbum
Les Beaux dégats(レ・ボー・デガ)」より、

「お気に入りのアルバム」からは外れるけれど、Cabrelが好きで時々引っ張り出す1枚。
最近のアルバムだったら「Hors-saison」がお勧め。 或いはもっと前の「Samedi soir sur la terre」

Youtube.com & Dailymotion.comで見つけたVIDEO:
“Bonne nouvelle”


by mmetomato | 2007-07-10 00:04 | フランス他地方


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