パリも徐々に春らしく


三寒四温、春到来! と、太陽に誘われ「ブローニュの森でも散策に」と外へ飛び出したのだけれど、家を出る直前に友人から電話を受け急遽予定変更。
メトロの駅へと方向転換して出くわした春の風景。
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友人が午後半ば位に合流するというので、お天気が良くなったら巡りに出かけようと思っていた、アールヌヴォー時代の建築家、エクトール・ギマールHector Guimardの作品見物に予定変更。
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太陽に誘われふらっと出かけたパリの端、メトロ駅Porte Dauphine ポルト・ドーフィヌは、日中割と出入り口がひっそりとしていてカメラを向けるのにピッタリなんです。
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モンマルトルのアベッスAbbesses駅にも同じのがありますが、Porte Dauphineは緑に囲まれ遠景を写すのに調度良く、より明るくて、前々からカメラに収めに行こうと思いつつもなかなか実現しなくて。
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アールヌヴォーというと、万人受けするすべらかなものから奇怪なものまで様々だけれど、ギマールによるメトロの出入り口は、パリ人にも外国人観光客にも根強い人気。

ちょびっとウンチクを添えますと、まずHector Guimard エクトール・ギマールはフランス、リヨンLyon生まれの建築家。
1867年3月10日生まれ(1942年没)。
Hector Guimardはヘクトア・グイマルドじゃありません。仏語ではHは発音しない決まり。Guiはギと読み、例外は多々あれど一応ベースとしては最後に来る子音は発音しない決まり。

建築について専門的に学校へ通って学んだわけじゃないけれど、アートの一環ととらえて私には大好きなジャンルのひとつでして、殊にアールヌヴォー時代(19世紀末から20世紀初頭のほんの半世紀足らずにヨーロッパを中心にワッと流行ったスタイル)の作品は、若かりし頃、ほぼそれだけを目的にあちこち旅して歩いたものです。
一般的にもこの建築家は「フランスのアールヌヴォーを代表する主たる人物(の一人)」と言われるのに加え、ベルギーの同じ時代を代表する建築家Victor Horta ヴィクトール・オルタに比較して、私にとっては、各々各国を代表する同時代の主要人物、かつ類似点も顕著。

ちなみにアールヌヴォーを短い旅行で目一杯鑑賞するなら、私のお勧め地は断然ブリュッセル!
パリより小さな都市なのでトラムウェイ、バス、ちょっとしかない地下鉄を駆使して町中短時間で巡れるし、街が小さいのに今も素人目にも明らかなアールヌヴォースタイルがそれはそれは沢山、街に凝縮された如く残っているから。
ブリュッセル中を巡り歩けば、その時代に発展したラテン系の国の柔らかいラインのアールヌヴォーとゲルマン系の国の直線を多用したアールヌヴォー、十把ひとからげにされるアールヌヴォーにも様々なスタイルがあるもので、その両方を1つの街で堪能できる「美味しい街」なんです。

勿論、フランス、ベルギー、オランダ、ルクセンブルグ、オーストリア、スペイン、ドイツと主要国全部巡れるなら、2ヶ月くらいかけてしらみつぶしに巡るのが一番だけど。
バルセロナのガウディ作品も、町中走り回って堪能するなら1週間は欲しいところ。
でも、絵画と違って建築は基本的に国外に持ち出せないので(部分的には外国でのエキスポジションなどに持ち出されたりレプリカが展示されたりしますけど)、好きなら断然旅行する価値アリですよ。

さて、ギマールのメトロ駅に話を戻しますと、上のPorte Dauphine ポルト・ドーフィヌ出入り口のひとつ(出入り口2つ、出口1つある)はギマール作メトロ駅出入り口デザインの中の1スタイルでしかありません。
類似したものには、かつてのHotel de Ville オテル・ドゥ・ヴィルからお引越しして設置されたという同じ路線(メトロ2号線)はモンマルトルのAbbesses アベッス駅、そしてChatelet シャトレ駅とあります。

その他、より多く見かけるのが次のスタイル。
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パリに観光に来る人の、恐らくほぼ全ての人が一度は通るであろうルーヴル美術館(le Musee du Louvre)とパレ・ロワイヤル(le Palais Royal)の間にあるLouvre-Rivoli駅の出入り口もこのスタイルです。
上の写真は、太陽が隠れてしまっていきなり寒くなった同じ日の午後半ば、友人と合流すべくありがちに待ち合わせ場所に指定した、カルティエ・ラタンQuartier Latinはサン・ミシェル St Michelのメトロの出口のひとつです。
この日の私は「ギマール尽くし!」と決めこんでいたので、待っている間もメトロの入り口にせっせとカメラを向けていましてね。
相変わらずデジタルカメラを買っていないので、携帯電話のカメラ、電話としてはろくでもないSony Ericssonですが、電話に付属のデジカメ機能はそんなに悪くないでしょ。

パリのメトロについては、それだけをテーマにみっちり365日ブログの記事を書けそうなくらい話尽きないのですが、またいろんな方向へ話が飛んで収集がつかなくなるのが明らか。

ある程度まとまったら、「TOMATO流かなり偏ったパリガイド」としてブログからグルメ・ガーデンサブサイトにでも記事転居させようかと思いつつ、今しばらくは「パリのアールヌヴォー」・・・というのもまた幅が広すぎるテーマかな。
むしろ、この日巡ってきたギマール作品紹介に徹しようかと思います。
(写真整理する時間もあまりなくて、去年のバルセロナ写真も予告しておきながらまだ掘り起こせていないので、きっとまたすぐどこかへ話が飛んでしまう可能性大ですが、一応ギマールに関しては手元にある写真全部載せる! と意気込んでいます)
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by mmetomato | 2010-03-07 20:37 | アールヌヴォー


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