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お野菜のファルシ


夏野菜の旬には、まだ少々早いものの、今年に入って初物の、お野菜の肉詰め料理。
お肉に限らず、「ファルス」と呼ばれる詰め物をしたお料理のことを、「ファルシ」と呼びます(いずれも仏語でよ)。
お野菜に詰め物をした場合は、「レギューム・ファルシ(野菜)」、トマトなら「トマト・ファルシ」といった風に。

今回作ったのは、“旬の盛りの完熟トマトでない”からできる、トマトファルシとポワヴロンファルシ。 後者は、写真の通り、ピーマンです。
中に詰めたのは、横着して市販の、サルシッチャ(伊語)と同等の、ソーセージの中身用豚粗挽き肉。




トマトやズッキーニが一番ポピュラーですが、こうした詰め物料理は、フランスの家庭料理の定番で、専用の挽肉ミックスは、スーパーマーケットには勿論、豚肉、牛肉、鶏肉それぞれの専門店でも、各々、「ファルシ用挽肉」を用意しています。
ハーブを入れたりトマトピュレを加えたり、いずれも多少なりとも独自の風味付けをしているので、好みに合うものが見つかれば、そうした挽肉ミックスを買って来るととても手軽。
勿論、お家でお肉をミンチにして、或いは挽肉にしてもらって、好きなように調味しても楽しめます。
「欧米料理:お肉」に、トマトファルシのレシピ掲載済)




トマトは、そのまま味わうなら、断然、太陽をたっぷり浴びて割れんばかりに育った真夏のトマトこそ美味しいけれど、あまりよく熟しきっていると、詰め物をして焼いた時に弾けてしまうので、身がしっかりしたものを選びます。
ズッキーニは、長いタイプでも作れないことはありませんが、最もポピュラーなのは、丸いズッキーニ。
イエローと淡いグリーンの2色が主流です(先日のズッキーニの花の通り)。

丁寧に中をくり抜いたら、軽く小麦粉をまぶし、下味付けした挽肉を詰め、あとはオーブン任せなので、さほどの手間がかからず、それでも、ほぼ丸ごとお野菜の外観は見栄えがするのは嬉しいところです。

他に、使ったり、お肉だけに限らず、お米や刻み野菜にチーズやハム等を合わせた詰め物だったり、フランスのみならず、イタリアやギリシャ、トルコetc.割とあちこちで、似たようなお料理が親しまれています。
調理法も、オーブンで丸焼きにするばかりでもなくて、ソース煮にするところもあり。


<本日の仏単語>
・詰め物料理 farci ファルスィ
・野菜のファルシ légume farci レギューム・ファルスィ
・トマトファルシ tomate farcie トマートゥ・ファルスィ
・ズッキーニのファルシ courgette farcie クゥルジェットゥ・ファルスィ
・詰め物用の具 chair à farce シェール・ア・ファルス(調味済みの挽肉は大抵この名)
・ソーセージの中身chair à saucisse シェール・ア・ソシッス
(粗挽きポーク主流。既に塩味付で、ハーブやスパイスを加えたものもある。イタリーで言うサルシッチャの方が知られている?)

※以前から、よく質問メールの届く「フランスでの鶏挽肉の見つけ方」について。
鶏肉専門店で頼めば、ミンチマシンですぐに挽いてもらえます。 必要なグラム数だけ作ってもらうか、或いは、もも肉を買って、それを挽いてもらうか、お店によります。
ミンチの道具を持っていることが前提なので、マルシェでの場合は、次回持って来てもらうことも可能な筈。
パリなら、中国人を頼りにできるかもしれませんが。



<本日のMusique>

CalogeroカロジェロのAlbum「 Calog3ro(カロジェロ3)」より、
“ Face à la mer ”(ファス・ア・ラ・メール)de Calogero & Passi

単独でも人気のあるカロジェロとラッパーのパッスィPassiが組んで、現在の仏社会に対するフラストレーションを炸裂させて大ヒット。
この曲は、私好みにMP3を構成して作ったCDのフレンチラップ集とポップス集それぞれに加えていて、各々を聴きながら気付いた面白い現象があります。 それは、「ラップ集」で聴くとPassiが歌う部分が、「ポップス集」で聴くとCalogeroが歌う部分がと、なんだか良く似た2つの別な歌のように聞こえること。
耳って、ザックリまとめて聞こえる様々な音の中から、適当に選んで聴く機能を備えているのね。

Dailymotion.comで見つけたVIDEO:
“Face à la mer” de Calogero & Passi


# by mmetomato | 2007-05-12 01:11 | 料理