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雨の日のお散歩

先日、久しぶりに真昼に市内を横切っていて、小雨が降る中ふと思い立って通り道をちょっとだけ遠回りして、近くにある公園を通り抜けてみたら、すっかり春爛漫でした。



朝夕街路樹のある道を通っているのに、朝夕の往復でいかに時間を稼ごうかと夢中になる余り殆ど脇目もふらずに歩いている私。
このところ週末も出かけていたので、のほほんと近所を歩くことがなく、私にしては珍しく季節感を失っていて、ふと眼を上げてみると木々の葉が大分開いて若葉が眩しく、春というよりもはや初夏が着々と近づいている! としみじみした矢先のこと。
緑と水が豊かな公園なので、雨とはいえ綺麗な風景が撮れるかなと思ったのですが・・・



子供と一緒で「動くもの」についつい誘われる私は、緑よりもこの子達に釘付けで、緑なんてそっちのけ。
公園に住み着いた鴨達は、割と人に慣れているので、近くを歩いても何羽か集っている場合には警戒しながら眼を離さないものの、間近、それこそ2m圏内に踏み込んでも案外動かないもので、いつもは橋の下の池の水面でバゲットを放ってくれるのを待っているのに、雨降りだと人が少ないからなのか芝生が食べ易くなるのか、水辺からヨッタヨッタと出て来るんです。

今にも降り出しそうな、湿度が高い曇りの日にも。



役所に届け物に出かけ、その足で寄った先からオフィスへ戻る道中だった午前中。
子供達は来ない時間帯だし、雨降りなのでお散歩に来る人もおらず、ひっそりとした公園で伸び伸びした鴨達。
橋の上でついばんでいるのは、どうやら前日にお散歩人が水面へと千切っては投げていたパン屑のようです。

この直後、近くの出口から公園の外へ出て、公園を囲う柵に沿って歩道を歩いていたら、うっかり遠出しすぎて公園から飛び出してしまった雌鴨がコワンコワンと叫びながらもの凄いスピードで走った挙げ句、柵の間に見つけた隙間から茂みに飛び込んで行きました。「怯えさせてゴメンネ、でも譲れないほどこちらも急いでいるのよ」なんて言い訳したくなったくらい。 急ぎ足の私より早そうな勢いに、追い立てるようで気の毒になってつい歩調を緩めましたけどね。

いくら「追いかけて来る!」と勘違いされてしまったにしても、“ 走る鴨 ” って、初めて見ました。
いつもは、お尻を左右にふりふりヨッチラヨッチラしているのに。
そして、飛べる鳥なのに何故走るんだか・・・?


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by mmetomato | 2008-04-28 01:21 | トゥール Tours
おバカナル・フランス人

どうも、フランスを遠くから眺める人の中には、「フランス人って知的」なんてイメージを持つ人が案外多いようで。
私に言わせれば、「ちっともそんなことないわよ、どこも一緒」。
お勉強が出来る人もいれば出来ない人も居る、お勉強ができても常識の無い人も居れば、学校の成績は悪かったけれど知性はある人、学業はさておき賢い人、どうしたらそういう思考回路になるんだか? と不可解な人、面白い人、つまらない人、明らかにインテリタイプ、インテリぶったタイプ、ブルジョワ、差別主義者、人種や国籍に無頓着な人、脳味噌お持ちですか?と尋ねたって答える能力はないかな?と思いたくなるような人 etc. etc. etc. ... 一つずつ挙げたらウェブサイト1つ設立できそうなくらい多種多様な人達ですから(とは、殆どどこの国にも通じる筈)。

時々受ける問いかけなので、適当な写真もお料理の話題もないこともあり、今日はちょっとしたエピソードをば。

つい最近職場で、「妊娠したら、いつ会社に知らせるべきなのか?」という素朴な疑問が話題になった時のこと。
目下子育て真っ最中&そろそろ脱子育てという年齢層主流の我らがランチ仲間。
「出産休暇が絡んで来るから、知らせなくていいってことはないわよね?」
と言い合う中、唯一近い将来そういう場面を経験するであろう最も若い子がしたり顔で述べるは、
「確か、1ヶ月前迄には知らせる決まりがあった筈よ」。

これを受けた一同(全員転職経験者)、
「隠したくたってもっと前に分かるでしょうに」
「私はもっと早く知らせたから問題なかったわ」
「妊娠・出産前に解雇されたから、そんなこと考えもしなかった」
「ギリギリまで働きたくて隠す人も居るんじゃない?」
なんて口々に言いながらも適当に皆納得していた筈が・・・

ワンテンポ遅れて1人が挟み込んだ、素っ頓狂な問いかけ
「え、何の一ヶ月前?」
に一同大爆笑。

お高くとまって見えるとか、こむづかしい話ばっかりしていそうに見えたとしても(そういう人も多々います。でも、そういう人達の多くも下らない話に笑い転げるエスプリはありますし、全く無い人もいますし・・・)、フランス人だってこんなものです。

気心知れた仲間達集ってお酒の入った宴など繰り広げたら、知的であろうが凄まじく下らなかろうが、笑い話の語り合いで体を真っ二つに折り曲げて一晩中腹筋をキリキリ締めながら笑い転げることもしばしば・・・


※補足
弾けるように笑い転げた私達の解釈は、書かなくても分かるかとは思いますが、念のため。
「来月仕込みますんでヨロシク!」なわけがないでしょ、という意味です。
つまり、出産一ヶ月前迄には、勤め先に出産休暇の必要から、妊娠していることを告げねばならない、という前提。 ただし、果たしてそう言った子の言葉が正しいのかまでは、直接関わりない話なので私達は確認せず、腹筋を鍛える程笑ってこの話は幕を閉じました。

余談:
バカナル Bacchanalesとはバッカス祭、或いは飲めや歌えの乱痴気騒ぎのこと。 或いは、ギリシャ神話の酒の神様のことです。


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by mmetomato | 2008-04-27 06:18
大麦のケーキ


サイトにレシピを掲載している、アラブの「セモリナ小麦のケーキ」の応用です。
モロッコ、アルジェリア、チュニジア、北アフリカの、いわゆるマグレブ諸国で親しまれるポピュラーなお料理「Couscous クスクス」の、粒パスタのようなものの元でもあるセモリナ小麦は、パスタやパンの他に、お菓子にも使えます。

小麦粉とちょっと違って、コーングリッツのような粒子の粗いざらっとした粉(それにも粒大きめと小さめとある)と、やはり小麦粉よりも少々粒子は大きめながらもほぼ粉末状のもの、色々な形で売られる小麦の一種です。

数週間前に、スーパーマーケットの北アフリカ辺りからの輸入食材コーナーで大麦を細かく砕いたパックを見つけて、割と珍しい食材なので「使い道は後で考えよう」とひとまず買って来たのを、ようやく開いて作ったのがこのケーキ。



粉末でなく、粒が見える粗挽きというか細かく砕いただけのざらっとした粒状なので、仕上がりもほろほろっと粒が見える、やや崩れ易い生地になります。
マグレブ国で割とポピュラーらしいセモリナ粉のケーキの応用、でも、セモリナ小麦よりも独特の風味ある素朴な大麦なので、仕上がりの色も風味も、ちょっと違います。

北アフリカのお菓子というと、大抵はベタ甘。 お砂糖を加えて焼いたところに、蜂蜜やシロップをかけたり染み込ませたりするものが多いためで、このケーキも、ほろっとした焼き上がりの熱々に、同じように熱々のシロップを染み込ませて仕上げます。
ただし、家で作れば、甘味が好きなように加減出来るので、我が家のは多少甘味控えめ。
それでも、一般的なフランス菓子に比べたら、もう少し甘味強めにしてあります。 そうでないとアラブのお菓子らしくないから。

セモリナ小麦ではよく作るのだけれど、始めて作った大麦版が、思いの外大好評。
相棒を筆頭に、毒味というか、味見実験台になってもらった周囲からリクエストが届き、この週末またいそいそと仕込んでいます。


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by mmetomato | 2008-04-26 06:02 | デザート
街で見かけた「デコ」


近頃、狙え転職と、とある研修に参加しています。
何をやっているかを書いてしまうと、国内の日本人に私がどこの誰かバレてしまいかねないので内緒にしておきますが、時間的には少々きついものの、個性的な仲間に恵まれ、毎日楽しくてしょうがないこの頃。
普段滅多に出かける機会のない場所に通うようになって、いつしか長居しているこの街に、まだまだ知らない地区が残っていることを再発見しています。

「知った気になる」というのが、恐らく、色々な発見の障害になるのでしょうね。
毎日微々たるものながら、同じ道でも往復で風景が変わるもので、平凡な小道からの民家の眺めも、良く見れば微々たる発見が山ほどあるもの。
折しも大分お天気が良い季節、そしてサマータイムに入ったので、朝は3分でも多く寝ていたい私には探検はまず無理だけれど、代わりに帰り道は少しずつ経路を変えて、知らなかった道発見とばかりに、最短距離で20分程度の道を30〜40分かけて、迷子紛いに寄り道しながら散策しています。

比較的新しい(19世紀末〜20世紀初頭)の民家や工場跡が混じり、「美しい」という表現からは遠ざかった建物が殆どの地区なので、折角カメラを持って出かけてもなかなかシャッターを押そうと思うデザインには出会わないものの、目に新しい風景で風変わりなものを探そうと意気込み新たにした矢先、知人宅に出かけた帰り道で、微々たるデコレーションに出会しました。



全く大したことないものなのだけれど、よく見ると、なんとなく工夫されているのが意外だった、民家裏のバルコニー紛いのテラスガーデンです。
何が植わっているのかは、遠目なので不明。 同じ物ばかり植えられているわけではないみたい。
一見、等間隔に鉢を並べただけのようだけど、段ごとにサイズが違えてあるのが、どんな人なのか知らないこのお宅の住民への親しみを誘った次第です。

大分前にここで紹介した缶詰アートもしかり、いかにも「デザインしました!」というお庭やお家のデコレーションも楽しいけれど、どういうわけかこういうちょっとしたエスプリが好きでしてね。

コンテンポラリーアートは仏語で「L'art contemporain:ラール・コントンポラン」と呼びます。
でも、そのエスプリがどうにも共有し難い私に言わせると、その殆どが
「L'art qu'on comprend rien:ラール・コンコンプロンリヤン(訳:サッパリ分からないアート)」。
仏語の発音に基づいたへそ曲がりTOMATO流言葉遊びのこのフレーズ、断然、フランス人の反感を買うことと思ったものの、実際凄まじい反撃に遭うこともあれど、意外に共感をしめしてくれる人も多いので、さほど天の邪鬼な意見でもない模様。

「Question de goût.ケスチョン・ドゥ・グゥ、好みの問題」で片付けてしまえば、議論はあっさり終結できるんですけどね。
上の鉢植えなど、ありそうで無いからなお見つけると嬉しい、チープだけれど作り手のエスプリ豊かなな気がする、それはそれは微々たる、でも私の目にはれっきとしたアート。

わざわざブログに1ページ割くほどのことでもないのだけど、このところ益々、お料理にのんびり割く時間がないので・・・


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by mmetomato | 2008-04-19 19:22 | トゥール Tours
“麺スタイル”


芸術の流行の一つ、「l'Art nouveau アール・ヌーヴォー」というのをご存知な方は多いことと思います。
雑多に色んなものが好きな私は、アートといったら断然コレが好き! と断言出来るものがないのですが、19世紀から20世紀初頭にかけて、比較的短い期間にヨーロッパでワッと広がった芸術傾向のひとつアール・ヌーヴォー全般、及びその時代の画家の作品には、好きな傾向を多々見つけます。

フランス語で別名「麺スタイル:le style nouille スティル・ヌゥイユ」と呼ばれるように、アール・ヌーヴォーには、茹でたスパゲッティをふにゃふにゃと散らしたような、滑らかな曲線スタイルが多いのですが、実は、ふにゃふにゃしたラインはどちらかというとラテン系の国で、同じ頃に同じようにアール・ヌーヴォーに加担したゲルマン系アーティストの手によるものには、直線的なものも多々あります。
ですから、一概に「曲線」と言ってしまっては語弊があるのだけれど、フランスやベルギー、スペイン辺りでは、圧倒的に曲線傾向強め。

「麺スタイル」で分かり易い例を挙げると、アルフォンス・ミュシャの絵や、パリのメトロ(地下鉄)の入り口のダークグリーンに塗られた門(アーチと言うのかな?)やランプ。 全ての地下鉄駅がそうというわけではありませんが、ルーヴル美術館前の広場(内部じゃなくてね)にあるのなど典型的。



上は一例、ベルギーの建築家ヴィクトール・オルタVictor HORTAの家の中で写したものです。

私が好きなのは、アールヌーヴォーの建築。 より厳密には、建物よりも建物に添えられるデコレーションに惹かれていて、もう大分前になりますが、以前住んでいたブリュッセルには至る所にそうしたお家が見られるのに、ここトゥールではベルギーの首都に比べて春かに少ないのが少々不満。
それでも、たまにチラホラ、「その頃築ないしその頃改装したのね」と思うようなお家は、一応あります。

片っ端からカメラに収めて、アルバムを作りたい! なんて思っているのだけれど・・・
なかなか実行できないもので、日に日に長くなる「実現したいリスト」の頭の方にリストされたまま。

とにかく変わり易い空がこの辺りの特徴で、折角カメラを持ってそうしたスタイルのお家の前を通りかかっても、良い光がない、というのが主たる理由なのですが、先日、朝一番に出かけた先から別な出先へ寄る途中、大通りはつまらないのでヒョイと入った裏道で、面白いお家に出会しました。



上の写真、向かって左側から歩いていたので、真っ先に目にとまったのが、地階(この国は、イギリス同様地階は地階で、その上、つまり日本で言う2階を「1階 Première étage プルミエール・エタージュ」と呼びます)の窓を覆う鉄の柵。 今ひとつ、ベルギーに多い滑らかさには欠けるものの、アール・ヌーヴォーの気配がチラリとあっては、立ち止まらずにはいられません。
よく見ると真ん中に星がはめ込まれていて、なんだか妙な感じ。 その場で上を見上げてみると、色調は赤が主流でオリエンタルな気配のモザイクと不思議なブルーで構成されていて、「ユダヤ系の何か?」と思ってみるも、ユダヤの星は棘が6つなのでちょっと違う。



脇の道に折れて、遠ざかって全景を捉えようとすると、やはりブルーに塗られ赤いアクセントの散る扉にも星マーク。



どうにも奇妙な、この辺りにはまず滅多に見ないスタイルなので、次に探したのは、色合いとモザイクに翻弄されて、アラブ(イスラム)の月マークでした。
モロッコの国旗は赤地に星マーク、アルジェリアの国旗は白と緑半分ずつの背景に赤い月と星なので、それら関係のロゴでもないか探してみた次第です。

改めて近づいてみて気がついたのは、扉の脇にあるパネル。
それによると、建物の建築年は1920年。 アール・ヌーヴォーに比較するなら丁度終わりにさしかかりアール・デコに動きが移り行く時期(トゥール市内のアール・ヌヴォーの気配ある建物は、その頃築のものが多い印象。 見た目の判断で、確かめたわけじゃないけれど)。
そしてなんと、元々は、売春宿だった建物なのだそうです。 第二次大戦終了頃、厳密には1946年迄。
名称は「L'Étoile Bleue レトワール・ブルー」。
イスラム教ともユダヤ教とも、何ら関係はなかったようで。

1946年と言えば、フランスがそういう組織をなくす目的で売春宿を禁止した年。 やたらに法律を作ったり改正したりしながら、ちっとも守らないのがお得意のこの国だけれど、この頃はもうちょっと真面目に守っていたのでしょう。
その後放っておかれたのを、この地方の企業家クラブが1978年に修復して、現在は、青年商工会とでも訳すのかしら、若者主体の商工会の類が使っているそうです。

この先は帰宅して夜、カメラから画像をパソコンに取り込んで、改めてパネルに記載された説明を最後まで読んで知ったのですが、内部の壁には、「エロティックなフレスコ画」があって、そちらもつい最近2001年に修復されたとのこと。
しかも、予約制で訪問出来るのだそう。
今更カマトトぶってもしょうがないのでホントのところを白状すると、実は興味津々。 来週早速電話してみようかと思っています。
スケベ心じゃなくて、文化的なものととらえての興味ですよ。 テーマがテーマでも、きっとれっきとしたアートでしょうし。
週末に訪問出来るような所ではなさそうなので、実際に見られるのはいつになるか分からないけれど、しかも、仮に写真を撮らせてもらえても、いかんせん建物の用途が用途だっただけに、このページにはまず掲載できないんじゃなかろうかと予想されるので、もしも掲載するとしたら、サイトの方にこっそりでしょう。

時代が時代だけに、そんなにオゲレツなものは無いだろうとたかをくくっているのだけど、誰を誘って出かけようか、目下考慮中・・・


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by mmetomato | 2008-04-05 20:52 | トゥール Tours