カテゴリ:Nature( 13 )
バルセロナ:「香る街路樹」


これね、パリを夕方発って、陽が傾き行くバルセロナに到着した翌日、朝アパート(宿として借りていた所)で一仕事して11時の市内での今回のバルセロナステイ1つ目のミーティングに向かう途中で街路樹として見かけてから、気になって仕方なかったものです。
c0120322_59895.jpg

上と下は、グエル公園で写したもの。
涼し気な細い葉が美しく、よく見ると赤い小粒の実が熟しかけ、遅咲きの花も目立たないけれどひょろっとした穂になってぶら下がっているのが見られます。
c0120322_510268.jpg

「もしや?」
と思ってから、来た道を戻る予定がないから、次に見掛けることはなかろうか? と思いながら次のミーティング地へ向かうにもキョロキョロして止まない私。
ついに見つけ、手を伸ばすも届かず。
その向こうにも一本見つけ、大人げなくもジャ〜ンプ!
ぶら下がっている赤い小粒の実を手にニンマリする私を、しら〜っと冷たい目で見る同僚・・・

彼女が呆れるのもなんのその、
「やっぱり、Poivre rouge !(ポワヴル・ルージュ、赤コショウ)」
c0120322_511631.jpg

上は、アパートから最寄りの地下鉄駅へ向かう道中に植わっているもの。
黄色い信号機の向こう側の木が赤コショウです。

スパイスとしてはよく用いているものの、また、コショウと呼べど白黒グレーの最も一般的ないわゆる「胡椒(コショウ)」とは異なる木であることも知っていたけれど、現物の木を見たのは初めてでしてね。
すっかり狂喜しておりました。

食べ物の他にも多々ある私のパッションはボタニック。
知らない食べ物があるとどうしても食べてみたくなるのと一緒で、見た事が無い草木に出会うとそれが一体何なのか知りたくなり、本でしか知らない草木があれば、いつか実物を見てみたいと思うもので、久しぶりに「新しい木との出会い」に巡り会って、それはそれは嬉しかったのでした。
しかもまさか、街の中で街路樹として出会うとは。
南米とかインドとか、あまり行かないであろう所でしか見られないかと思っていたので、大人げなく道端でジャンプした甲斐がありました。

ええと・・・ 我がバルセロナ訪問、見当違いなことばかり書いていますが、超特急ながらも一応観光名所はちょこっとだけ巡っています。
写真はたっぷりあるので、パリと行ったり来たりするとは思いますが、徐々に掲載しますね。
[PR]
by mmetomato | 2009-10-13 05:15 | Nature
季節のお花


間近で見るチャンスってあまり無かったので、写真にしてみると、何の花やらなんだかピンと来ない気がするこのお花、蓮(ハス、Lotus ロテュス)です。
「今、見頃を迎えています!」と日本のニュース(Yahoo Japanの動画ニュース)で観たばかりで現物に出会したので、ゴキゲンでした。
いかにもアジアの花というイメージが強くて、ニュースで見たら急に恋しくなりまして。
この辺にも、黄色い小振りのやら白いのやら、水のある公園へ行けば幾種類か見られるんですけどね。


2週間程前に、ひょっこりかかってきた知人からの電話LU(リュ:勿論仮名)。
「日曜に僕ら夫妻と君等夫妻と、RG夫妻宅に招かれたから」と電話の主。
「この週末?」
「違う、次の。釣り竿持って来いよ」
「は?」
「あ、いいや、竿貸してやるから、じゃね!」

せっかちな友人なので、いきなりかかってきた電話(ここまでは当然。電話っていきなりかかって来ますもんね)がいきなり切られたくらいで驚きはしないものの(仕事中と知っててかけてくるからなお急いで切った模様)、ランチのお誘いなのに釣り竿持って来いって、一体どういう事なのやら。

夜帰宅して相棒に知らせたところ、相棒曰く、
「僕にもLからかかって来た。TOMATOに釣りさせてやるって張り切ってたよ。近くに川でもあるんじゃない?」
当日を翌々日に控えた金曜の晩に「手土産打ち合わせ」と称してLに電話したところ、
「5時とは言わないけど、早く来いよ、竿も餌も全部用意しとくから!」
相変わらず釣りの話。

かくして、県北部の車で40分程のお宅なので当日9時に家を出ることにして、いざ到着してみたらビックリ。
道沿いのお家の門から中へ入れば並木道が待ち構え、お城でも待ち構えていそうな門構え。
元々相棒が2年弱前に知り合って、数夫妻ぐるみでおつきあいしている人達で、いつも会うのはトゥール市内でばかりだったので、お宅訪問は初めてのこと。 住所が「水車」なんて地名なので、近くに水があって番地なんてない田舎風景の中なのだろうとは想像していたものの・・・

まさか4ヘクタール(40,000平方メートル、1ha=10000m2)の土地持ちだなんて想像もしていなかったので、門からお家脇の駐車場に辿り着く迄、そろそろ進む車窓から相棒と辺りを見渡しては驚きのため息。


「近くに池があるのかな?」
なんて私の疑問は、見事にひっくり返されました。
池どころか湖二つに水路1つ、共に水源はちょっとだけ上流の泉で、更には鱒(マス、Truite トゥリュイットゥ)が釣れる小川まで、全部ひっくるめて敷地内に納まっている始末。






このページでこの辺りの日常生活にも触れたくて、「フランス人のお宅訪問」企画でもしたいものだと思いながらも、そうそう人の家でパチパチ写真を(集まった人じゃなくて、お家の写真ね)を撮ることなどまず滅多にないのでちっとも実現しないのですが、今回ばかりはせっせと写真を撮らせてもらってきました。

この日のランチメニュー含め、追々掲載します。


[PR]
by mmetomato | 2008-07-23 05:52 | Nature
森の旬
週末、出かけた道中で風変わりな花を見つけて寄り道した雑木林の縁で、自然界の旬に出会しました。
「森の苺 Fraises des bois フレーズ・デ・ボワ」の一種、野生の苺 Fraisier sauvage。


黄色いお花のヘビイチゴがはびこる日なたから外れてみると、可憐な白い小さな苺の花が他の草の間から控えめに覗いていて、よくよく見てみると、イバラやゲンノショウコの類の葉っぱの間で小粒の苺が色づいています。


黄色い花も小さな苺をつけるのだけれど、そちらは殆ど香りがなくて中は真っ白いスポンジ状で、食べられたものじゃありません。
反して白花の方は、強い香りがあって、指先で潰して嗅いだだけで幸せな気分になれる香り。
加えて甘味も強くて、指がベタつくくらいです。

そのまま半日居残って、せっせと集めてジャムにでもしたかったけれど・・・
毛虫に出会し、おずおずと後ずさりしつつその場を離れました。

つまみ食いはしましたけどね。


[PR]
by mmetomato | 2008-07-09 16:20 | Nature
「XXごっこ」かと・・・


朝出勤してみると、デスクのど真ん中にふわりと広がるピンクの薔薇。
誰かからのプレゼントかと大喜びで鼻を近づけて、強い香りにうっとりしていたら。



いつもちょっぴり遅刻して来る同僚が珍しく早く来ていて隣室から姿を現し、花束を抱えて喜ぶ私を見つけた途端。
「ああ〜ごめんね、これじゃ意地悪よね〜」

え、なに? もしかして昔日本で話題になっていた「お葬式ごっこ」?

私宛じゃなくて、個人的にお世話になったお礼にと別な仲間宛で、水に挿してホイと置いて出勤簿を覗きに出かけていたのだそうで。

でも、何かと人が集う位置にある私のデスクの前で、この日丸一日水に挿したこのバラが放つ強い香りを、1日たっぷり堪能しました。

勘違いさせて悪かったから明日持って来てあげる と言ってくれたけれど。
週末を挟んで、忘れられている可能性大だわ。

もう5月も末、なるほど今が旬なのね。

就業時間にデスク周りを片付けながらバラ談義に花が咲き、サイトにも掲載しているバラのシャーベット&凍らせずに飲み物の香りづけに使えるシロップのレシピを伝授したので、郊外住まいの数人、きっと週末にお庭のバラを収穫していることでしょう。


[PR]
by mmetomato | 2008-05-31 06:10 | Nature
バラ色の後は虹色


2月の殆どが比較的暖かくて、プラムや桜の花が大分開いたというのに、今月に入って寒の戻りと呼ばれる類なのでしょうか、ヒュンと気温が下がって霜が降りる日もチラホラ。
この辺りはここ三日ほど雨の予報、しかも雨だけでなく強風を伴う嵐が到来中。
昨日(ブログ上では一昨日)の月曜など、まともに傘をさせない台風のごとき強風のため、家への帰り道、そこら中のごみ箱に骨がばらけた傘が突っ込んでありました。 雨さえ止んでくれていれば写真を撮ったのに、と残念なくらい、風に煽られて壊れた傘が群をなしたごみ箱に突き立つ光景は、ある意味壮絶でした・・・

今日の写真は、その前の日曜の空。
市長選の投票に出掛けた夕方、街の中心には太陽が照っていましたが、その陽射しに温められる頬をヒンヤリとかすめて行く風が冷たくて、上空には色とりどりと言いたくなるような濃淡様々なグレーの雲が、雲の居る高さの違いからなのでしょうね、様々な早さでなびいていました。



家から投票所の市役所まで歩いて行けば良いのだけれど、「きっとにわか雨に見舞われるに違いない」と車で出掛けたので、投票後そのまま近郊の田舎道をぶらりと巡った時の空模様が上。
白い雲だけ見たら、なんだか夏のごとし。
雲の千切れ目から覗く太陽にさらされていればポカポカ陽気なものの、日陰に入ると突然気温が急降下したように感じる、それはそれは奇妙な日でした。



よっぽど滅茶苦茶な風の吹き方なのか、形ある雲、形ない雲、蒸気がそのまま雨になったかのように遠方で筋を描きながら雲がストンと落っこちたような景観だったり、車窓からキョロキョロしていたら、案の定虹が。

あっちにも、こっちにも。 行く先々に。



パリに比べて比較的陽光に恵まれるトゥーレーヌ地方ですが、空が変わり易いため、一年中しょっちゅう虹が出ます。
でも、綺麗なアーチを描くことは少ないかな。
大抵は上の写真2枚のように、足下だけ。

そういえば、今年の元旦にもちょろっと七色が輝いていました。


[PR]
by mmetomato | 2008-03-12 00:30 | Nature
早春の花:ミモザ


先月末、早々に見つけた早春のお花二つよりももっと早くに咲くお花があります。
早春というよりももっと早いのではないかと思う「ミモザ」。



さほど寒さの厳しくないこの辺り(*1)では、12月中に早々につぼみを付けて、年越しの頃にはまだ花は咲かなくても、この木を知らなくても「黄色い花が咲きそう」と見て取れるくらいにつぼみが色づいて、早い年には1月中に、遅くても2月中に陽当たりの良い所から順に花をほころばせ始めます。

日本ではミモザアカシアとも呼ばれる通り、アカシアの仲間。 つまりマメ科の樹木で、ユーカリの葉と同じように銀色がかった灰色を帯びた葉は冬にも落ちることがないため、お庭の木として根強い人気があります。



花は房になって咲き、まばらなもの、密なものといくつも種類があって、冬の切り花としても人気。
独特の香りは好きずきで、香りは違うものの、好き嫌いが分かれるという点で私が思うのは菜の花の香り。 胸にムッと来る、どう表現したものなのやら適当な言葉が思い当たらなくて、言い表せないのがもどかしいけれど。

房になった花が根元から順に咲いて行くため割と花期が長く、月の満ち欠けによって時期が変わるカトリックの宗教行事「カーニヴァル」の頃を挟んで、しばらくの間あちこちのお庭やお花屋さんで楽しむことができます。
春らしいポカポカ陽気の強い陽射しを受けて、明るく眩しいほどの金色の茂みに見えることもあるくらい、フワフワとした小粒の丸い花は、早春の可憐なお花の中でもとってもハッピーな気分にしてくれるもの。

2月に入ってここしばらく青空と太陽に恵まれている上、「全国的に例年を3〜5度上回る気温」と言われるここ1週間ほどで、ほころび始めだったつぼみが一斉に開き始めています。



暑さ寒さ、雨や雪、時候のご挨拶だけでなく色々気にかけて下さる方もいらして嬉しい限り。
この冬は適当に寒さもあって湖の上を歩けたこともあったけれど、全体的に見れば極端なものではなく、幸いにもこの辺り(*1)はパリに比べても比較的空が安定している上、折りに触れしばしば書いている通り、全国ネットのお天気予報が良い方向に外れることが多くて、南仏の一部のとびきり太陽に恵まれた土地と同じものを望まない限りは、割と天候に恵まれています。

川、しかもヨーロッパ一大きな天然の流れと言われるロワール川を挟んで、同じトゥール市内でも北と南でお天気が違ったりするくらいなので、「フランスは」とか「トゥーレーヌ(トゥールを中心とするこの辺りの地方)は」と一概に言えませんが、少なくともこの辺りでは、もう冬は後ろ姿のようです。

上は、先週の金曜だったかな、郊外へお買い物に出かけた帰りに見かけた、沈み行く夕日です。
ロワール川が雲の流れを狂わせるため、丁度川近くの上空でサックリ切られた雲に映る夕日特有の暖かいオレンジが綺麗だったので。


注釈 (*1):
この辺りと言っても、中心街と街外れだけでも、日中も夜も気温が2〜3度違うことがよくあります。 家の近所で日中すっかり霜が解けても、街外れでは夜露が凍ったままの地面が真っ白だったり。 マルシェで隣町に畑を持つ人とお天気の話になると、これまた中心街とは大分違った空模様だったりして、一口に「トゥール(街の名)」だったり「トゥーレーヌ(この辺りの地方名)」と言っても、厳密には気温は大分違ってきます。 夏もしかり。
ちなみに明日の予報は朝0度、日中12度だそうです。 オマケに書き添えますと、日本と逆で夏はカラリとしていて冬は湿度が高め。
同じCNTRE圏に区分されるオルレアンなど、トゥールよりも内陸なため海からの影響がトゥールに比べて少ないのか、今時分だけを見ても、ここよりも1〜2度気温が下ということが多々あります。
更に「フランス」と枠を広げれば、日本では北海道と東京、沖縄を比べたら全く気温が違うのと同じことで、暑さ寒さにかなり幅がありますので、例えば「この辺りは今暖かい/寒いですよ」と言っても他の地方では違うことがままあります。国外から旅行に来られる方はお出かけ先に該当する土地の気候をその都度確認しましょうね。


<本日のMusique>



Alice Cooper の「School's out」
 from 「School's Out」
Publicité(こんなCMに出演していたなんて!)
a Clip ...(こんなことまでしていたなんて!)
Alice Cooperの数々のヒット曲のひとつ。彼の歌で一番気に入っているのは別なタイトルなので、そちらはまたいずれ。


[PR]
by mmetomato | 2008-02-13 21:00 | Nature
冬の恵み


クイズ:これは一体、何でしょう?



選択肢:
A:萎んで木に引っかかった風船。
B:腐り行く林檎。
C:小鳥の餌。

さほど難しくはないかな。



収穫しては自家用にシードルを仕込んでいるという、街外れの知人のお庭の果樹園で出会った、林檎です。
冬のお天気に恵まれた日、敷地内を一巡りお散歩していた時に見つけたもので、木の下に落ちた実の他に、枝に辛うじて引っかかるように残る僅かな果実で、形を残しているもの、しなびているもの様々。
その全てがそれぞれに、ことごとく鳥についばまれて器のような形になって、皮ばかり残っています。



赤い実の木と黄色い実の木と混じるようで、いずれも冬の間の鳥の格好の餌になっているのでしょう。
秋には多様な果実をついばむ小鳥、公園や川原の鴨は一年中、お散歩に来る人々が放ってくれるバゲットにありつき、そのおこぼれのパン屑をスズメがついばんでいるのを見るけれど、食料が少ないであろう真冬に人にあまり近づかない小鳥は一体どうしているのかと思ったら。

普段から、街や野山に川原で見かける動植物には興味津々の私ですが、果樹園のように人が管理する場所を歩き回る機会がないので、ささやかなものながらも珍しくて、持ち主に「そんなもの写してどうするの」と笑われながらも、自然は上手くできているものなのねとカメラを向けて。
モチーフとしてはなんとも邪道なものながら、この日の晩、久しぶりにお絵描きを始めました。
以後ここ1週間ほど、久しぶりに夜な夜なデッサンやら水彩画、色鉛筆画に着手しています。
しかし。 元々下手の横好き、手先の器用さで誤摩化してなんとなく形に見えるかなという程度のものが、ここ2年ほど全く手がけていなかったのに加え、目指せ上達! と無茶なモチーフを選んで自爆するようなもので、日に日に出来上がりが不格好になって行き・・・
絵を習いに行く暇が欲しいと日々呟いています。

ひとつ何かに着手しながらも他にやりたいことがいくつもある時(毎日、毎時間、ほぼ常にですが)、時間を一時停止できたら良いのに、なんて無茶を願いつつ。
サイトの更新を滞るお絵描き熱、間もなくほとぼりが冷めると思います。


[PR]
by mmetomato | 2008-02-06 06:14 | Nature
小さい春みつけた



先週ずっと、「例年を数度上回る暖かさ」と言われていたこの辺り。 週末に入って朝晩の気温がまたほんの少し0度を下回る冬に戻りましたが、週末はすこぶる良いお天気
まるで2月がもうやって来たかのように、耳を澄ませば街の公園で春の小鳥特有の声が聞こえていて、随分とまた早いものだわと驚いていた矢先のこと。

久しぶりにスコンと晴れ上がった青空に誘われて近郊へ出かけた帰り道、街外れの知人のお屋敷を訪れて、そろそろ候補者達がチラシ配りを始めた地方選挙談義に花を咲かせ、日暮れ前に案内するよと雑木林の広がる広大な敷地を一巡りしていたら、小鳥だけでなく草花も今年は益々足を速めて春を先取りしていました。



遠目にタンポポだろうと思っていたのに、目を凝らしてみるとお花の形がまるで違って、イエローのCrocus クロッカス。
サフランと違って春早くに咲くということは知りながらも、この辺りの自然界には見かけないので、早春とはいえ厳密にいつ頃咲くのか分からないのですが、まだ二月にも入っておらず、ちょっと早いんじゃない? と思いながら、夕刻近づく高台の寒風に吹かれる鮮やかな黄色に大喜び。



樫の葉が積った周辺の雑木林を巡りつつ、秋にお花だけワッと咲かせた野生のシクラメンの葉がひっそりと低く首を出しているのを見つけて、秋にはさぞかし見事な咲きっぷりと楽しめるのでしょうと思いめぐらせるだけでゴキゲンな私。
そんな合間に、とてもとても気の早いブルーベルも、ほっこりと落ち葉の間に顔を出していました。

仏語では「Jacinthe des bois ジャサントゥ・デ・ボワ」、直訳すると「森のヒヤシンス」。
まだ蕾みを覗かせたところで、ここから茎がすっと伸びて、淡い紫がかったブルーのお花が下向きに、茎の下から順々に咲いて行きます。



「森のアネモネ Anémone des bois アネモーヌ・デ・ボワ」と呼ばれるイチリンソウの一種が咲き終わる頃に、「そちらが終わるのを待っていたのよ」とばかりに入れ替わるように咲くもので、毎年、あちこちの雑木林の足下にブルーのカーペットのごとく見事に咲き揃うのが見られます。
大抵、3月も末から4月にかけてなので、かなり早い花のほころび。

更には、その先の木々の間に広がるグリーンを見つけて目を凝らしてみれば、直訳すると「雪割草」と呼ばれる「Perce neige ペルス・ネージュ」こと、スノードロップの仲間が群になって一斉に可憐な白を花開いていました。



いかんせん広い庭でのこと。 加えて川沿いの丘のてっぺんに立つお家を囲む雑木林は急な斜面、更には街用ブーツの私は落ち葉にくるぶし迄埋まりそうでペルス・ネージュの群生地には近づけなかったので、上の写真は一昨年だったかな、3月に近郊で写したものです(先日新たに加えた脱線カテゴリ「その辺の野草図鑑」にも掲載)。

家の近所の公園では、ここでは珍しいロウバイの花が終わりかけ、ご近所のお庭ではボケの赤やピンクがチラホラほころび、陽当たりの良いところではミモザアカシアが鮮やかなイエローをモシャモシャと咲かせているくらいで、街の中の草花はほぼ例年並なのに、意外にもより自然に近い野草の方がかなり先走っている今年。
3月に入ったら、お天気の良い週末にカメラを持って森へ行こう! なんて思い始めた矢先にこれですから、今年はもっと早めて出かけた方が良さそう。
でも、ペルス・ネージュもジャサントゥ・デ・ボワも、群生するお花で、咲き始めから咲き終わりまで幅があるため、まだ暫くは楽しめる筈です。 咲き始める時期は、生息地によっても前後しますし。

先週の暖かさが野草の勢いに焚き付けたのだろうとは思いますが、野草の花期は毎年着々と早まっています。
腹時計じゃないけれど、季節の時計も見事に狂い行くのね、と思うと、なんだか複雑な気分・・・

ちなみにこの個人所有の敷地、今回初めてお庭を歩き回って、あまりの広さに驚いていたら、なんと総面積1ヘクタールを超えるそうで。
1ヘクタール=10,000m2。
お家からゴミ袋一つを県道の収集場所に出すのにすら、車のキーを掴みたくなる広さでした。
管理だけでも大変でしょうに、ポロッとこぼれた納税額なんて、顎が落っこちそうなもの。 お陰で近辺の所有者は次々と入れ替わり、やがてはこの辺りも、スタンプを押したような同じ家が立ち並ぶ住宅地に作り替えられてしまうのでしょう。
このお宅のお父さん手作りの、ミニシャトー紛いのお家付き1ヘクタール強、ただ今買い手募集中だそうです。


[PR]
by mmetomato | 2008-01-28 01:02 | Nature
旬のお花



「凌霄花」と漢字で書くのだそうです。 読めます?
草木の名って、漢字にすると妙なのが多いですよね、紫陽花(=アジサイ)とか。
無法則らしき当て字ならではですか。
昔試験にこういうのが出されると、そんなのがアリなら「太丸赤=トマト」って読ませようが、もう好きにしていい? とヘソを曲げたくなったものです・・・

「凌霄花」、ノウゼンカズラ。
日本では確か淡めのオレンジ、この辺りではかなり濃いオレンジからオレンジがかった赤、色合いにはいくつもあるようですが、庭木として大人気の蔓植物です。
フジ同様、つるは太って木のようになり、かなり勢い良く刈り込んだ方が花の付きが良いらしくて、冬にカサカサと毛羽立った太い茎だけが、ブドウの木のように家の壁を伝っているのも目にします。



フランス語では、いくつか通称がありますが、恐らく「Jasmin de virginie ジャスマン・ドゥ・ヴィルジニー」が最もポピュラーなのではないかと思います。
和訳でもないけれどカタカナ訳するとヴァージニア・ジャスミンといったところ。
学名は「Campsis grandiflora」。

上は、3〜4年前にソミュールSaumurで写したものです。
丁度、ロワール川を挟んでお城(Château de Saumur)を望む風景にカメラを向けようとしたところで、背後のお家の壁からたら〜んとノウゼンカズラの枝が下がってきていて。





今ちょうど綺麗に咲きそろったところで、8月初旬迄が一番の見頃かな。
季節を感じさせる草花は数多くあれど、どうカメラを構えてもまともに写らないんじゃないかと思う強烈な陽射しにさらされるこの花を見ると、毎年「真夏の真っただ中」と感じます。

あまり虫もつかないようなので、家にも植えたいと思いつつ、植えるには適さないであろう真夏にしか想い浮かばないので、かれこれ何年実現せずにいることか・・・
ただ、花の時期には蜂が飛び回るようです。
それも妙に大きなのが・・・


<本日のバックミュージック>

Chris REA クリス・レアの「Heartbeats: Greatest Hits」より、
好きな歌手でもないけれど1曲「Looking for the summer」が気に入っていて。
暑くなった途端「Get out the summer !」くらい言ってしまいかねないけれど・・・

曲が聴けるリンク:
Looking for the summer


[PR]
by mmetomato | 2007-08-01 20:43 | Nature
旬の野草


半ば「自称」という面もあれど、ここトゥーレーヌ地方は、土地の売り文句、そして一般的にも(ある程度)そういうものだ、ともされている代名詞は「フランスの庭」。
ロワール川流域のお城巡りの主要地域で、そこら中にあるシャトー(お城)の庭園、殊にすぐ近くのヴィランドリーVillandry城の四季折々に姿を変えるお庭、少し東へ足を伸ばせば毎年国際庭園フェスティヴァルが開かれるシュヴェルニーCheverny城辺りは、国内外からの観光客を集める超有名どころ。
そんなに足を伸ばさずとも、トゥール市内の公園も、かなり市が投資しているらしく、頻繁に新しい草木が植えられて、いずれもそれなりに見応えある風景を作り出しています。

そんな土地だけになのか、「天然・自然の緑」と「人工的な緑」の違いが分からないこの辺りのフランス人(この辺りだけでもなさそうだけれど)にとっては、「野草が好き」も「花壇の&お花屋で売っている花が好き」も、何ら違いが見えないらしくて、「野生の草花が好きなの」と言うと、しばしば「じゃ、今度どこそこの有名な庭園を一緒に見に行きましょうよ!」と身を乗り出されるのですが・・・

あまりにキッチリと手入れされたフランス庭園は、「面白い幾何学模様ね」と遠目に眺める楽しみは一応あれど、ひとつひとつの草花を丹念に観察する楽しみに欠けるので、私の好みとしては今ひとつ。

断然好むのは、河原の草地や道端の、或いは森林の縁や木々の足下の草花で、これはもう子供時代から肌に染み付いた最たる日々の楽しみの一つとなっています。
それこそ、コンクリートの隙間から逞しく顔を出す雑草の方が遥かに好み。
おのずと、その辺の草地にワッと広がって花を咲かせている野草を見つけると、写真にしてどうしようという目的もないのにカメラを向けたり、摘んで歩いたりの衝動が抑え難くて・・・

結果、近所の草木の写真だけで、時間さえ許せば365日毎日違う植物をピックアップして、草花専門ブログでもお任せあれ!とばかりの写真が積る積る・・・
そればっかりでもどうかと思うので、小出しにというわけでもないけれど、時々ここに載せようかと思いつつも、いかんせん旬のお花って、お野菜以上に時期が短くて、うかうかしているとさっさとピークが終わって他に入れ替わってしまって、かれこれ数年来出番を得られない写真も多々あります。

前置きが長くなりましたが、目下野原に見事に色を散らしているお花をふたつ。




上は「コクリコ」。 日本で言う「ヒナゲシ」。
厳密には、その実ですね。 ピントを合わせたのがそちらなので。

野原にも、県道沿いの草地にも、民家やぶどう畑の縁の石塀の隙間にすら根をおろして、可憐な割になかなか逞しく生えるこのヒナゲシは、麦畑も大好きらしくて、今大分実が入っている青白い独特の色合いの小麦の穂の間に間に、鮮やかな赤を散らしています。
お花の可愛らしさもさることながら、小さなシャポー(帽子)を被ったような果実が面白い形。
この草は、既に咲いているお花を摘み取ってもすぐに花びらが散ってしまうので、開きかけか開く数日前くらいのつぼみを集めて水に刺しておくと、花瓶でも間もなくして元気良く花を咲かせます。

去年だったか今年の春だったか、知人がTVニュースで見かけたというのを知らせてくれた話では、この花びらを集めて様々なお料理に作り替えて提供しているペンションが、国内のどこだかにあるのだそうで、食べていけないこともなかろうとは思っていたけれど、本当に食べる人が居ると、初めて知りました。
ちなみに、ポピーの類と言うとオピウムを連想する人も出て来かねませんが、全く別なポピーがその原料ですので、このヒナゲシはドラッグにはなりません。

そしてもう一つ、今大分花開いているのが「ブルエ」こと「ヤグルマギク(矢車菊)」。





このお花を見ると、毎年一度は思い出すのが、
ジェームス・アイヴォリー監督の「A room with a view」。
邦題「眺めのいい部屋」。

とってもブリティッシュな若い女の子が、従姉妹だったか叔母だったか二人と共にフィレンツェに滞在する中、社会階級の異なる奔放な青年と出会い恋をする。 堅苦しい階級社会に馴染めない主人公の女の子が、周囲にはショッキングとも映る青年に惹かれる素朴さを、プッチーニの有名曲のオペラと、この監督ならではの寒気がするほど綺麗な風景を交えて描いた作品。
もう15年位前になるのかな、もっと前だったかな・・・?
ゆったりとした気分を満喫できる一作。

その中で、主人公の若い女性に付き添って旅していた二人が、フィレンツェののどかな田園風景の中、このヤグルマギクを摘み集め、お宿に戻って楽しそうに、集めた花を散らしているシーンがありまして、以後ヤグルマギクが誰かが種を散らしたように草地のそこら中に生えていたりすると、ほぼ必ずこの映画を思い出す次第。

緩やかでロマンティックで、でもベタベタに甘過ぎないこの映画、既に観たことのある人も多いことと思いますが、まだなら、使われているクラシック音楽も含めて、オススメよ。



<本日の仏単語>
・ヤグルマギク Bleuet ブルエ
・ヒナゲシ Coquelicot コクリコ
・庭 jardin ジャルダン
・フランス庭園 jardin français ジャルダン・フランセ
・イギリス庭園 jardin anglais ジャルダン・アングレ
[PR]
by mmetomato | 2007-06-22 23:08 | Nature