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野生のアスパラガス


もうかれこれ10年近く味わっていないお野菜に、先日ひょっこり出会しました。
それは、野生のアスパラガス。



帰りがけにパンを買おうとレ・アル(Les Halles 常設市場)へ足を伸ばし、パン屋めがけて通路を通り抜けていたら、目に飛び込んで来た懐かしい姿。
昔隣国に居た時に春よく食べていたものなのですが、この辺りではあまり知られていなくて、普段のマルシェで見かけないので、あきらめと共にここ2〜3年程は半ば忘れかけていたものです。

ピタリと足を止めてバッグの財布を探りつつ、「Bonjour Madame !」と機嫌良い笑顔の売り子さんに近づき、目前のアスパラの上にひらりと乗っている黒板の価格を見れば、量の割にえらく高い4.95€。
小銭しか手元に無いのは朝から意識していたので、かき集めればなんとか?と願いつつ小銭入れを覗いて見ると、ほぼ空っぽ。 朝コーヒーマシンが返してよこしたおつりがあった筈とポケットをさぐるも、出て来たのは0.10€のみで総額やっとこ4ユーロ28サンチームと中高生のお小遣いレベル。
「ええと・・・ 銀行に寄ってからまた来ます!」
と言い残してキャッシュディスペンサーへ走り、大急ぎで戻って一束入手してきました。

とにかくこの辺りではまず滅多に見かけないので尋ねてみたところ、やはり毎年必ず入荷するものでもないのだそうです。
時期はと尋ねれば、5月始め頃から長くても6月半ばが限度とのこと。
国内でも、地方によってはその辺で収穫できるところもあるのだけれど、この辺に生えているのは見た事がありません。

そんな話をしていたら、同じ八百屋さんで買い物を終えたのになんだかモゾモゾとしていた隣のマダム、どうやら気になっていたらしく、おずおずと
「どうやって食べるの?」
八百屋のマダムに向けた問いの筈が、視線でこちらへ話を送られ、
「和風のブイヨンでさっと湯がいて冷ましてお醤油ちょっと垂らして」
(削り節があったらなぁと思いつつ)

一般的にどう食べるのやら、いかんせんこの辺りで知る人が少ないので分かりませんが、単純にマヨネーズで食べてもOK。
茹で時間はほんの3分程。 さっと引き上げてあら熱を取って、この日の八百屋さんのマダム曰く、
「私が好きなのはね、生クリームにお酢をちょっとだけ垂らしたソースと塩コショウで食べるの」
「レモン汁じゃなくて?」
「ノンノン、ヴィネガーで!」
「シブレット(チャイブ、西洋アサツキ)を散らしたりは?」(私)
「ナシでよ」
「パセリとか?」
「なしなし! それとももっとシンプルにドレッシングを添えても良いのよ」
「あ、それは私も一番最初に、マヨネーズに手を出す前にやったわ」

というわけで、ご機嫌に買って来たワイルドアスパラガス(Asperges sauvages アスペルジュ・ソヴァージュ)は、週末のランチのアントレに、半分は八百屋さんご自慢のクリームソースを添えてみるつもり。


by mmetomato | 2008-06-01 02:35 | 食材


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