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バラ色の・・・


「La vie en rose:ラ・ヴィ・アン・ローズ」と言えば、
エディット・ピアフEdith PIAF !
と答えられる人は、そう少なくないと思います。 邦題は「バラ色の人生」。
去年公開されたピアフの映画で主演したマリオン・コティヤールMarion COTILLARDが、仏国内はおろかオスカー主演女優賞までさらった今年は、全国市長選挙の年。

9日、日曜に開催、即日開票されました。



主要都市の結果が出揃ったところでの私の呟きは。
「Les villes en rose...:レ・ヴィル・オン・ローズ」

そこら中のチャンネルでやっていた選挙特集番組で続々公開された、最初の「結果傾向」では、全国的な傾向の目安となると言われた都市で、ことごとく社会党が勝利していたから。
Les villes:街(の複数形、冠詞付)、そしてフランスの政界で「Rose:ローズ(ピンク、バラの花の意味)」と言えば、社会党の代名詞。 ロゴマークが赤いバラの花の政党で、開票途中での傾向提示段階では、まるで社会党圧勝といった印象だったので、正に現政府(サルコズィ/サルコジ大統領率いる政府には他党も居るけれど与党はUMP)に国民が中指を一本を突き立てた結果となったのね、と。
同社会党は、去年の大統領選で女性候補者として日本でも報道されていたセゴレーヌ・ロワイヤルの居る党です。

丁度同じ日曜日に、スペインで総選挙が行われていたのと、今回のフランスでの投票は県議会&市長選だったので、日本での注目度は低くて大したニュースにもならなかったのではないかと思います。

あまりローカルすぎる話をしても仕方ないけれど一応付け加えますと。
トゥールは、前々回の市長選挙で社会党派が政権を奪って以来、社会党のジョン・ジェルマンJean GERMAIN氏が市長の座を動かず、今回も案の定トップで第一次投票を突破し、来週末の第二投票で再選されることでしょう。
会うと不愛想でちょっと感じの悪い人だけど、市長としては比較的好評です。

首都パリも現職市長ドゥラノエDELANOËは社会党で、ここも変化無し。 トラムウェイを導入するだのバスや自転車専用道路がどうのと、市内あちこちで工事が最も盛んだった頃には不満の声も高まったけれど、それでも「パリをより良くしてくれる市長」としての人気は根強いので、驚くには至りません。

多少こういう傾向になるだろうと思ったものの、これほど顕著に野党第一政党に傾く結果となるとは思っていなかったので、「バラ色の街・・・」とこぼした次第。
でも、すっかり開票を終えて一夜明けた月曜のニュースでは、「ローズ」の党の圧勝っぷりはさほどのことでもなかったらしいです。 全国的に見ると、辛うじて社会党優勢、といった程度。

上の写真は、毎回投票日には恒例の、市内の投票所の一つ、トゥール市役所(旧館)の「祭りの間:La salle des fêtes」。
去年の大統領選の時にも書いたかと思いますが、日本みたいに×を付けて(○でしたっけ?)投票するのではなくて、各候補者の名が記された1枚ずつの紙全てを集めて、「Isoloire:イゾロワール」と呼ばれる服屋の試着室のような所にこもって、他人の眼に触れないところで1枚選び出して封筒に入れて、投票箱に放り込みます。
その投票用紙がズラッと並んだところで、これから投票する人が紙を集めている様子。



こちらは、投票直前にかな〜り迷っている風だった女性。
市役所前の広場に面して張り出されている選挙ポスターの一覧です。
一枚ずつ湛然に端から眺めて行った末、このマダム、また全部逆に辿って、丹念に眺めていました。
よっぽど迷ったのか、或いは単に誰かと待ち合わせ中の暇つぶしだったのか・・・?

ちなみに、当選のルールは、第一回投票で過半数つまり50%を超える票を獲得した人は、第二回目の決選投票なしに新市長に即決します。
49%以下なら、二位との格差が大きくても、第二回目の投票に向かいます。
トゥールの厳密な結果は分かりませんが、現職市長がトップ、第二位に、私が冷やかしにNom de dieu de vabreと茶化している、「今回の不人気政党」であるUMPの人物が大分引けを取って後を追う形。
元文部大臣経験者のその2位の人、全国的には今じゃ殆ど見向きもしてもらえず、全国放送の選挙特番でも全く話題にのぼりませんでした。
お陰で、厳密な票獲得率は不明(地元新聞でも買えば良いのだけど、大雑把なところは地元TVでチラッと言っていたのでそれ以上私は探さず。だいたい予想通りだし)。
現職市長再当選は、間違いないことでしょう。


by mmetomato | 2008-03-11 20:43 | 時事フランス


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