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キャッサバ芋のケーキ



前回書いた、アフリカやカリブ海近郊の島々などでよく使われる食材、キャッサバ芋のケーキがこちら。



上は、焼き色のついた表面に粉砂糖を振ってあります。
焼き上げたばかりは、下のようなのっぺりした顔の素朴な焼きっぱなしのケーキ。



しかし「ケーキ」というよりも、なにせキャッサバ芋といえばタピオカの原料となりタピオカスターチ(コーンスターチや片栗粉のようなもの)の原料でもあるお芋ですから、でんぷん質が豊富。
このケーキの質感はモチモチして、ケーキというふっくらだったりホロホロッとした食感とは全く違う、外郎(ういろう)のような羊羹のような、不思議な食感です。

いずれレシピページを作るので、詳細はそちらに掲載しますが、作り方はもの凄く簡単かつソヴァージュ(ワイルド)。
皮を剥いた生のキャッサバ芋を、ひたすらおろし金でゴリゴリすり下ろし、卵やバターなど他の素材とワシャワシャ混ぜ合わせ、型に流して焼くだけ。

ジャガイモや長芋に比べて遥かに固い芋なので、すり下ろすのがちょっと手間で、のんびりしていると、おろし金の脇に飛んだ一滴の芋の汁が薄ら乾き始めてその場でタピオカスターチが出来上がるように見えるくらい(半ば以上に事実で、すっかり乾いた汁は、繊維がちょっと混じったスターチ粉になります)。

フランスの海外領土、レユニオン島やアンティーユ諸島のグゥアドゥループやマルティニークのお菓子なので、その辺りで採れるCanne à sucre カンナ・スュクル(カンヌ・ア・スュクル)ことサトウキビを原料とするラム酒で香りを付ける他はスパイスも加えないシンプルなもの。
私流には、シナモンパウダーを加えて。

モチッとした食感は、フランス本土、ブルターニュ地方のファーブルトンにも通じるので、レーズン、或いはラム酒に漬け込んだラムレーズンを加えたり、アレンジするともうちょっとソフィスティケイト(洗練)されたお菓子としても楽しめそうです。


by mmetomato | 2007-09-21 00:16 | デザート


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