先月、数ヶ月振りになるかな、久しぶりに市内のマルシェへ出かけたら、「どうしてたんだい、近頃見かけないから心配したじゃないか」と責められる責められる・・・
かれこれもう一年近く一緒にマルシェへ行くことのなかった相棒も、どういう風の吹き回しか、
「随分顔出していないから離婚したと思われてるんじゃないか、ハハハ」などと言いながらついてきて、二人まとめて冗談半分に叱られて。
ちっとも買いに来なくなったお客を手厚く面倒見てくれるのは、お馴染み客を逃したくない商売心がないわけでもないのでしょうけれど、それはさておいたとしてもなんとも暖かい人達に恵まれて、すっかり心温まる朝のお買い物でした。
逆に、それだから「今日はお宅に用はないの」と心で思いつつも遠くからブンブン手を振って挨拶されると、手を振り返すだけで「バイバ〜イ!」と去り難くなってしまい、買い物が1つだけなんて時は「ああまた1つだけじゃ済まなくなるんだろうな」、と色々面倒になってマルシェ行きを見送ってしまうこともあるものだけれど。
加えて、「平日のお買い物がままならず、週末は週末で留守がちで、お宅だけじゃなくてマルシェ自体全然来られなかったの」と答えて歩いたら、ハムやパテの端っこ、1つだけ残っていた量り売りお野菜etc.、オマケ品をあれこれを頂戴してきました。
今時分のマルシェで真っ先に向かうは、秋から春先はリンゴにナシ、今なら桃やスモモと農家から直に売りに来る果物屋さんも勿論ながら、やっぱり八百屋さんでしょう。
それも他の地方や外国からの輸入品じゃなくて、地元の農家の直売店。
見てくれが悪かったり虫食いがあったとしても、味は断然天下一品ですから。
上は、そんな八百屋さんのトマトたち。 これでトータル2キロ強かな、巨大なのといびつで大粒なもの、4種類混じっています。
お値段は、このお店では各トマト 3.20 euros / kg、キロ当りの価格が一緒なので、取り混ぜて選んでOK。
それぞれに味が違って、大分人が集まる時間帯にさしかかり、長い列の最後尾についてからずっと「売れませんように」と願い続けてやっと順番が巡って来たところで最初に頼んだのがこちら。
僅かに残っていた箱から、よく熟した大きなのを3つ選りすぐって。
黄色に鮮やかな赤みがさしたこれらは「Tomate bicolore」の札が付いていましたが、実名は「Flambée:フロンベ(フランベ)」、「燃えるトマト」といったところですね。 なるほど黄色と赤の炎に見立てたわけです。
甘味は強すぎず、ほのかな酸味があってジューシー。
柔らかくもフニャフニャではなく、とにかくフルーティー!
トマト臭さは「臭さ」という意味では全く無いものの、トマト風味はほのかにあって、微妙なニュアンスが楽しめるので、毎年楽しみにしているものです。
こちら(上)は、去年それとも一昨年だったかな、同じマルシェの同じトマト。
切ってみたら中が「なると」。
他に買い求めた2品種はまた後日触れることにして、トマトだけで他にもう3〜4種類あり、散々目移りした末やっぱりいつも通りに「大粒でよく熟したのをね」と3品種だけ選んでもらい、「それからハーブをいくつか」と数々の旬のお野菜が広がる棚の向こう側へ移動しようとしたところで、「唐辛子トマト」が珍しく並んでいるのに気付いて「あっ」と足を止めたら。
「こっちも美味しいわよ」とお店のマダム。
「う〜ん、でもトマトばっかり3キロもあってもね」
「じゃ来週にしますか」
「いえ、来週来られるか怪しいから、1個だけ加えて下さいな」
「それじゃこれ、オマケ!」
と、既に計量の済んだトマトの袋に加えて頂いて。
この日のオマケシリーズ第一個目となったのでした。
唐辛子トマトはよく熟しているとやはりとろける果肉で、生でもソースにしても美味。
いずれにせよこうした完熟トマトなら、単に塩とハーブを散らしただけでも、とびっきり美味しいアントレになります。